商品をカートに入れたのに、10人中7人が買わずに離れていく

ECサイトを運営していて、管理画面の数字を見てこう思ったことはないでしょうか。「アクセスもある、商品もカートに入れてくれている。なのに売上が伸びない」。

Baymard Instituteの調査によると、ECサイトの平均カート離脱率は約70%です。つまり、商品をカートに入れた10人のうち7人が、購入を完了せずにサイトを離れています。

この数字は裏を返せば、カート離脱率を改善するだけで大幅な売上増が見込めるということです。新規集客のために広告費を増やすよりも、すでにカートまで到達した見込み客を購入に導くほうが、はるかにコスト効率が良い施策です。

離脱の原因トップ3と、それぞれの対策

原因1:「送料や手数料が想定より高かった」

Baymardの同調査では、カート離脱理由の第1位が「追加コスト(送料・手数料・税金)が高すぎた」で、全体の48%を占めています。

商品ページで見た価格と、カート画面で表示される合計金額に差があると、ユーザーは裏切られたと感じます。対策として、送料は商品ページの段階で明示してください。商品一覧や商品詳細ページに「送料○○円」または「○○円以上で送料無料」を目立つ位置に表示するだけで、カートでの離脱を大きく減らせます。

「送料無料」の基準を設けることも効果的です。平均注文単価が5,000円なら、7,000円以上で送料無料とすることで、ついで買いを促進しつつ離脱率を下げられます。

原因2:「会員登録が必要だった」

ECサイトで購入するためにアカウント作成を強制されると、24%のユーザーが離脱するというデータがあります。

最も効果的な対策は「ゲスト購入」の導入です。会員登録しなくても購入できる選択肢を用意するだけで、この離脱を大幅に減らせます。会員登録は購入完了後に任意で案内すれば、ユーザーにストレスを与えずに会員獲得も可能です。

Shopifyのチェックアウト設計ガイドでも、ゲスト購入オプションの提供が強く推奨されています。

原因3:「決済手段が限られていた」

希望する支払い方法がないために離脱するユーザーは13%に上ります。クレジットカードだけでなく、Amazon Pay、PayPay、コンビニ後払いなど、複数の決済手段を用意することが重要です。

特にBtoBのECサイトでは、「請求書払い(掛け売り)」への対応が購入の障壁を大きく下げます。Paidyの法人向けプランやNP掛け払いなどのサービスを導入することで、法人顧客の決済ハードルを解消できます。

カート離脱者を呼び戻す仕組み

離脱を減らすだけでなく、離脱した人を呼び戻す施策も並行して実施します。

カート放棄メール

カートに商品を入れたまま離脱したユーザーに対して、1〜3時間後にリマインドメールを送る仕組みです。Klaviyoの調査によると、カート放棄メールの平均コンバージョン率は3〜5%で、通常のメルマガの10倍以上の効果があります。

メールの内容は、カートに残っている商品の画像、価格、そして購入ページへの直接リンクを含めたシンプルなものが最も効果的です。

リターゲティング広告

カートページまで到達したユーザーに対して、Meta広告やGoogle広告でリターゲティングを行います。カート到達者は購入意欲が高いため、通常のリターゲティングよりもさらに高いコンバージョン率が期待できます。リターゲティング広告の詳細については、アドストラテジーの解説記事を参照してください。

まとめ

カート離脱率の改善は、ECサイトの売上を伸ばす最も費用対効果の高い施策です。新規集客に予算を追加する前に、すでにカートまで到達してくれた顧客を逃さない仕組みを整えてください。

まずは来週、自社ECサイトのカート離脱率を確認し、商品ページに送料情報が明示されているかをチェックしてみてください。その1つの改善だけで、売上の変化が見えるはずです。